カナダで胃カメラ


カナダでは日本のような集団定期健診のようなものはありません。だから自分でかかりつけ医師(ファミリードクター)に頼んで全身の健康診断をしてもらうのが一般的です。自分の健康管理は自分で、というわけです。問診、触診、尿検査、便検査と血液検査。これらの検査で何か異常が見つかると専門医へまわされます。
 
さて、本日の主人公はCharlie。2010年のこと。Charlieがファミリードクターのところで健康診断を受けた際に、便に潜血反応が見られ、胃腸科の専門医を紹介されました。Charlieの場合は親族にガンを患った人が多いので、ファミリードクター胃がんを少々疑ったのでしょうね。ただ、血液検査の結果でガンマーカーは陰性。ファミリードクターは「まず問題ないけど、家族歴があるので、念のために専門医を紹介します。」ってことで、専門医のアポイントをとることに。ここまでくるのにすでに4ヶ月。本当に癌だったらどうすんねん?って感じですけど。

 
さて4ケ月後に胃がん専門医へ行って、まず最初に言われたのが
Dr.
「あなた、何でここに来たの?」
Charlie
「ファミリードクターに勧められて」
Dr
「どう見ても、健康そうだけど」

まあ、そんな会話から始まり、専門医も「まず、問題ないから帰っていいよ。」と言ってくれたんです。しかし、心配性のCharlie。癌家系なので胃カメラをどうしても飲んで白黒はっきりさせたかったのです。

Dr.
「胃カメラ検査受ける必要ないと僕(専門医)がこれだけ言っても、あなたはどうしてもはっきりさせたいから受けたいんでしょ?
Charlie
「はい。やっぱり、はっきり知りたいんで。」

そういう経緯(イキサツ)でもって、2ヶ月後、胃カメラの予約の日がやってきました。ほんとうにガンだったらやばいですよ。こんなに時間かかってはね。

しかしうかつに「はい」だなんて言うもんじゃなかったと後悔するCharlie。胃カメラの前日は不安で不安で顔が青ざめています。ガンかもしれないという不安ではなく、胃カメラを入れることの恐怖でした。自分からやりたい言うたんやから、覚悟決めなあかんやんなー。

さて、当日の朝10時にアポイントメント。無意識になる薬を点滴で投与するため、検査の後は頭がもうろうとするそうです。誰か運転してくれる人が付き添うことが条件でした。公認会計士の大事な試験を前日に控えて試験休みをとっていたGariが借り出されるハメに。なんでよりにもよって試験の前日に胃カメラが重なるんでしょ。
受付で名前を言って、胃カメラ部に案内されました。検査用のガウンに着替えさせられ、Charlieはストレッチャーと言うのでしょうか、いわゆる病院のころころベッドに転がされ点滴開始です。そのまま、検査室へコロコロと移動し、口内に3種類のスプレーをかけられました。これを飲み込んで、咽頭部の感覚はなくなったとCharlie。口にカメラを入れるための道を確保するためのものを咥えさせられたかと思ったら、意識がなくなる薬を静脈投与されて3秒後、緊張をほぐすために深呼吸をするようにと看護婦さんに言われたのを覚えいたようですが、そこから全く意識も記憶もなし。つまり完全に無意識下でカメラは挿入されるのです。日本で胃カメラを飲んだ人から、カメラが入る瞬間のオェーッという感覚が不快だと聞かされていて、これを最もおそれていたのですが、どうやらカナダの先生は無意識になってからカメラを挿入するようです。検査そのものは15分。しかし麻酔から醒めるのに2時間くらいかかるため、時間が来たら付き添いの人は迎えにくるようにと言われました。大学病院のそばに図書館があったので、Gariはそこで試験勉強をしながら時間をつぶしました。
時間が来たので迎えに行くと、まだ麻酔から醒めていないCharlieがストレッチャーにぎゅーっと背中を丸めて、こぶしを握り締めて横たわっていました。その横顔は恐怖にかたまっていて、ちょっと気の毒に見え、Gariの目に涙が浮かびました。「この人、本当にチキンだったわよ。」と看護婦さん。目が覚めたCharlieは「いったいここはどこ?いつ胃カメラ終わったの?何があったの?」たくさんのクエスチョンマークが混みあがってきたようです。起き上がろうにも、意識も感覚もふらふらで、他の患者さんよりも長く休んでました。
最後にドクターから結果報告でしたが、もちろん異常なしでした。この時、専門医がGari
Dr.
「あなたのダンナさん、胃がんを心配してねぇ~」ってあきれたように笑ってました。「僕はね、永年癌患者をみてきているから、顔を見ただけで癌かどうかわかるのよ。あなたの場合は最初から何もないってわかってたよ。」って。

Charlie:「いや~、それにしても、本当に不思議な経験でしたよ。この麻酔剤っていいわ。これで胃カメラは怖くなくなりました。」






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