カナダ人としての相続〜銀行口座編

オットの母が他界し、日本で相続手続きをすることになった。

義母は遺言を残していなかったので、法定相続人で法律に基づいて資産を分配することになった。

カナダに移住し、カナダ国籍を取得した時点で、いつかはこういう日が訪れると覚悟はしていたものの、いざその時が来るとやはりやることが多くて頭が痛かった。


オットの家系の法定相続人は以下のとおり

被相続人ーオットの母(死亡)

相続人1ー配偶者(オットの父)日本在住日本人

相続人2ー長女(オットの姉) 日本在住日本人

相続人3ー長男(オット) 元日本人、現在カナダ在住カナダ人


相続人に外国籍の者がいると、相続手続きが厄介になりそうだということは容易に想像できることだが、実際に自分の身近で起こってみて初めてきちんと理解することができた。今後の自分達のためにも、また同じような状況の方々のお役に立てるかもしれないと思い、ここに記すことにする。

我が家の場合は税理士や司法書士を使わず全て自分達で相続手続きをした。亡くなった義母の資産は銀行口座をふたつだけだったので、なんとか自分達でできた。不動産がある場合はさらに煩雑になることであろう。


銀行の相続

代表相続人が銀行の窓口に以下の書類を持って行く。我が家の場合、死亡した義母の配偶者である義父が病気で老人ホームに入っている。そのため、日本在住日本人の長女(オットの姉)が代表相続人になることにした。外国人のオットがやるより手続きが楽そうなので。

注意:銀行によって手続きは多少異なるため、以下に記載したことが全てとは限らないので、あくまでも参考程度にとどめていただけるよう、あらかじめご了承いただきたい。


各銀行の相続手続きの用紙

まず銀行へ行き、相続用の所定の用紙をもらってくる。我が家の場合、義父が老人ホームにいて外に連れ出すことが困難だったため、義父の自筆の署名を所定の用紙に書いてから銀行に赴いた。もし相続人全員が銀行へ赴くことが可能であれば、あらかじめ銀行から用紙をもらう必要はない。以下の書類を持って銀行へ赴いた時にその場で記入すれば良い。

外国籍、外国在住の相続人がいる場合、この銀行の指定の用紙に、相続人本人に署名させる必要がある。我が家の場合は、オットは日本へ赴き、銀行でその場でサインしたが、日本へ来れない外国在住の相続人がいる場合は、郵送でやりとりする必要がある。


被相続人に関する書類

生まれてから死ぬまでの戸籍謄本全て

    オットの母は、生まれてから結婚するまでがA市、結婚してから最初の数年はB市、その後本籍地をC市に移動したため、3箇所の市役所から戸籍謄本を取り寄せた。しかも昭和32年の戸籍法改正前後、平成6年の戸籍法改正前後と合わせると、義母の戸籍謄本はトータルで5種類取り寄せることになった。相続手続きで一番厄介だったのがこの作業。C市は自宅そばの役所だったので楽だったが、A市とB市は郵送でのやり取り、返信用封筒を用意したり、為替を用意したり、市役所の職員の方と電話やりとりしたり、最初に入れた為替金額不足で追加送り直したり。それから一部間違えて戸籍抄本を取り寄せてしまったので、戸籍謄本を取り直すなど、いろいろトラブルもあり。全ての書類が手元に届くまでに約2ヶ月かかった。死亡した人の戸籍は全て戸籍謄本が必要なのだ。

 A市ー生まれてから昭和32年までの原戸籍謄本

 A市ー昭和32年から結婚して除籍するまでの除籍謄本

 B市ー結婚してからC市へ戸籍を変更するまでの除籍謄本

 C市ーB市から戸籍を移動してから、平成6年までの戸籍謄本

 C市ー平成6年から死亡して除籍するまでの除籍謄本

通帳と銀行カード


相続人1の書類

・現在の戸籍謄本(被相続人が死亡した後の日付で発行したもの)

・印鑑登録証明書(被相続人が死亡した後の日付で、かつ発行してから6ヶ月以内のもの)

・印鑑登録証明書と同じ印鑑(実印)


相続人2(代表相続人)の書類

・現在の戸籍謄本 (被相続人が死亡した後の日付で発行したもの)

・印鑑登録証明書(被相続人が死亡した後の日付で、かつ発行してから6ヶ月以内のもの)

・印鑑登録証明書と同じ印鑑(実印)

・運転免許証

・相続人2の銀行の通帳(遺産を入金するための口座)とその銀行口座の登録印鑑(銀行印)


相続人3の書類

相続人3はカナダ国籍なので、以下の書類が必要

・日本での最後の除籍謄本 (被相続人が死亡した後の日付で発行したもの)

・署名証明書(発行してから6ヶ月以内のもの、カナダの日本大使館、もしくは日本領事館で発行したもの)

・在住証明書(発行してから6ヶ月以内のもの、カナダの日本大使館、もしくは日本領事館で発行したもの)

・現在有効なパスポートのコピー

日本大使館、領事館では、元日本人が相続目的のために使う場合に限り、署名証明書と在住証明書を発行してくれる。その際、日本での最後の除籍謄本を日本大使館、領事館に持って行かなかればならない。

オットの場合、彼の母親が亡くなった時点で、除籍届けを出していなかったため、バンクーバーの日本領事館にて正式に除籍の手続きをとり、2ヶ月後に再び領事館へ赴き、署名証明書と在住証明書を発行してもらった。通常であると、市役所からの除籍謄本が必要なのだが、今回は領事館経由で除籍の届けを出したため、特別に除籍謄本がなくても手続きをしてくれた。これはあくまでもバンクーバーの日本領事館でのことなので、他の都市にある大使館、領事館で同じようにしてくれるかどうかはわからない。


相続手続き終了まで

代表相続人が上記の書類を提出すると、銀行窓口でその場で全ての書類のコピーをとり、原本は返してくれる。

全ての書類が整っていることが窓口で確認されると、約2〜3週間後に、代表相続人の口座へお金が振り込まれる。

代表相続人が遺産をそれぞれの相続人に分配する。分配についてはまた別記事にて記録する。


以上、銀行口座相続手続の流れを記録した。意外にもカナダ国籍であるからと行って特に煩雑なことはなかった。書類さえきちんと揃えてあれば、特に外国籍であるから複雑という印象はなかった。むしろ、被相続人の戸籍謄本を揃える作業が一番厄介だったと記憶している。

オットが葬儀相続関係で日本へ帰国したのは、母親が亡くなる直前直後と、その6ヶ月後の相続手続のための2回だけだった。カナダに移住して、相続関係で何度も帰国する必要があるのではないかと覚悟はしていたが、今回は初めてのわりには全てがスムーズにいったと思う。





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